【レポート】横浜ベイスターズの球団改革

横浜ベイスターズの球団改革

今回の記事では、横浜ベイスターズの球団改革について。

  • 横浜ベイスターズ

過去を振り返ると、横浜ベイスターズは2006年から10年連続Bクラスで、内7回が最下位と日本プロ野球においては弱小チームだった。しかし、横浜ベイスターズは逆境から見事に立ち直って見せた。直近の5年間で優勝は出来ていないものの、3回プレーオフに進出することに成功した。ただ、決して資金力がある訳では無い。しかし、選手・ファン・そして本拠地の横浜市と共に、優勝を目指してシーズンを戦い抜く姿勢にこそ他のチームには無い強さが宿っている。

  • ベイスターズの経営手法

ベイスターズの経営手法は画期的だ。それは、ファンを獲得するために「勝っても負けても満足できる」体験を創出することに尽力していることだ。本拠地で試合を行うのは年間70試合程しかない。強いチームでも勝率は5割台後半なので10試合したとしても3~4試合は負ける計算になる。その為、本拠地での試合の際には、花火や試合後の選手との交流イベントなどを開くことで試合結果に関わらず、心に残るイベントづくりを行っている。また、球団が作ったオリジナルビールや、ドイツから取り寄せたソーセージを使ったホットドッグなどを販売することで、野球に馴染みの無いファンの人たちも楽しめる環境を創造している。

 ベイスターズは、他にも勝祭(かっさい)という「チケットを持っていないファンの方でも、ベイスターズと触れ合えるようなイベント」を毎年開催している。このイベントでは、球団が主催するイベントの一環として、球場横の日本大通りを封鎖し、そのスペースにベイスターズのお店や選手とのトークショーのブースが設けられる。誰でも足を運べることから、家族連れなどが多く来場し、2日間で約2万5000人のファンや地元の人が押し寄せた大人気イベントとなった。このようなイベントを、チームと地元の横浜市が協力して行なう事で、試合の勝ち負けに関わらず誰もが笑顔になることができるという点に意義を見い出す事が出来る。チームをどれほど愛しているかには個人差がある為、熱狂的なファンだけでなくドライなファンや地元の方、どんな方でも楽しめる「勝際」のようなイベントを作る事が、ファンを獲得する上では欠かせないのである。

  • ファンがチームを変える

 ファンの存在は、チームの存続にも関わってくる。特に野球においては、どのチームにおいても熱心に応援し続けるファンがいる。横浜ベイスターズ は、上記の通り10年間で7度の最下位を経験するなど、日本のプロ野球チームの中で最弱だった。チームの負けが込む度に、ファンも離れていった。しかし、そのような状況においても、熱心にスタンドで声を枯らしながら応援する応援団やファンの人達がいた。実際に、彼らは負け続けるチームの為に「ライジング」という曲まで作り、最後まで球団や選手を励まし続けた。あるファンはこのように話していた。「たとえ弱くとも、このチームの伝統を次の世代に継承していく事が、チームの存続にすら関わる大事な事である」と。そして、ファンの思いは最終的にチームを変えた。最弱のイメージだった頃は想像もつかなかった「クライマックスシリーズ進出」にまで辿り着いた。

 ファンのためにプレーする選手が増えた。ファンがスタジアムに戻ってきた。クライマックスシリーズ進出も成し遂げた。つまり、ファンの存在が弱小チームを強いチームへと変え、更に人気球団へと変えていったのだ。

  • 最後に

野球や他のプロスポーツでも、本拠地選手ファンの3つが揃ってこそ成立する。プロスポーツが存在するだけで、本拠地の人、そしてファンが活気付く。この当たり前の事が見落とされてしまい、本拠地の方やファンがないがしろにされた運営をしてしまうチームが多い。今一度、横浜ベイスターズ経営手法ファンの存在から、プロスポーツの果たす意義について考えてみてはどうだろうか。

【参考文献】

池田純「空気の作り方」幻冬社 2016

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