【レポート】保険医療サービス

医療保険サービスについて

  • 保険医療の歴史

まず日本の人口推移について。

日本の人口が増え始めたのは明治維新からである。戊辰戦争が勃発した1968年は、約3500万人であった。そこから人口は増え続け、1945年には約7500万人となった。ここまでの人口増加の主な要因としては、明治維新が終わり新政府が日本を統治していく中で、近代的な西洋医学の導入や生活の質向上などが挙げられるだろう。また、産業革命による日本の大国化への影響も見逃してはならない。2008年には、1億2808万人と人口はピークになり、2017年は約1億2700万人と減少し始めている。戦後に人口が増えた要因は、太平洋戦争が終わり日本が民主化を遂げていく中で第一次ベビーブームを迎えたことが挙げられる。また、高度経済成長期により日本はGNP世界第二位にまで上り詰め、日本は急速に豊かな国へと変貌していったこと。日本が豊かになっていく中で、戦後からわずか20~30年余りで生活の質は急激に向上したのだ。その理由の一つに、医療の発展が挙げられる。医療の発展の影響で、平均寿命が急激に伸びただけでなく、出生児の生存率も高まった。しかし、この裏で、度を越した功利主義の風潮が日本に蔓延することになる。特にサラリーマンなどの会社員は、残業などで過労死に至るケースが目立つほどである。こういった、いわゆる自分の労働力を過剰に「商品化」せざるを得ないことにより、結婚していたとしても子供を作る余裕がなくなってしまう、また結婚自体をしなくなってしまうといった状況になっている。つまり、医療は発展し続け平均寿命は伸びる一方で、結果的に少子高齢化になっているのである。

これらが人口増加の原因で、2050年には8800万人になると予測されている。65歳以上の人口が約4割を占めると言われ、今までのように10人で一人の高齢者を支える状況から、一人で一人の高齢者を支えるという超高齢化社会に変化している。

  • 合計特殊出生率について

次に、人口動態と関連して合計特殊出生率について。

 合計特殊出生率とは女性が一生のうちに産む子供の平均数である。この合計特殊出生率は、2.1以上ないと人口は減ってしまうと言われているが、現在日本は1,42となっている。今後、この数値が横ばいで進んでいくと、出生数より死亡数が上回り、確実に人口は減る。この為、出生率を増やすことが急務なのだが、そのためには先ほど述べた仕事上の負担をいかに減らし自分の労働力を会社以外の家庭でも、使えるようにしていくかが必要になる。

  • 世帯構成の推移について

次に、世帯構成の推移について。

世帯数自体は1975年の32,877世帯から2012年の48,170世帯に増えている。しかし、夫婦のみの世帯も3877世帯から10,977世帯に増加し、また、単独世帯も5991世帯から12,160世帯へと増加しているのである。しかし、今まで主流だった3世代世帯は5548世帯から3648世帯に減っている。核家族世帯の総数は、19,304世帯から28,281世帯に増加している。このデータから分かることは、出生率低下や核家族が急激に進行しているということだ。

急激な進行理由としては、日本経済成長により生活の大部分を仕事に捧げなくてはいけなくなったこと都市部への人口流入も大きな要因になっていると思われる。今までは3世代での同居が主流だったが、子供たちが地方から東京や大阪、横浜などの都市部に住み始めたため核家族化が急激に進行したのだ。よって、世帯数は増えているものの、2015年の一世帯あたりの構成人員は2,33となっている。夫と妻だけ、もしくはひとり親と子供だけの家庭が主流となっている。

実際に子供を作ったとしても、その後子育てにかかる費用を懸念して意図的に子供を作らないということも考えられる。また、核家族化してしまった現状では、都市部に住む子供たちの家庭と、田舎に住む親の家庭が離れてしまい、親が病気や介護が必要になってしまった際に支援やサポートがしづらいという欠点もある。

  • 経済状況について

次は、経済状況について。

今回は、特に医療給付費と年金給付、社会保障給付費と社会保障関係費に焦点を当てて説明していく。まず、1965年の医療給付費は9137億円、年金給付は3508億円であるが、2014年は医療給付費は363,357億円、年金給付費543,429億円となっている。この数値から分かることは、医療の発展により平均寿命が延びたこととそれに伴う高齢者の医療費の増大だ。このまま数値が延びていけば、生産年齢人口だけで支えられなくなってしまうので、政府と自治体などによる是正や、応益負担などに少しづつ移していき、本人の負担額を増やしていくことが考えられる。

社会保障給付費について。

そもそも社会保障給付費とは、社会福祉や公的扶助に対して支出するものである。2017年の社会保障給付費は、約120兆円ほどで日本の財政赤字の原因などと言われている。しかし、税収、社会保険、資金の運用などによる収入は約130兆円あるので、決して赤字の原因になっているとは言えない

最後は、社会保障関係費について。

社会保障関係費とは、生活保護や年金に対して支出されるものである。2017年の一般会計予算における社会保障関係費は、約30兆円にも上り、一般会計歳出予算の中で、33.3%の割合で一番の比重を占めている。また、社会保障関係費の内訳であるが、年金が35.2%で、続いて医療が29.7%となっている。このことから、一般会計歳出予算で一番の割合を占めている社会保障関係費の中でも、年金が一番多いということはそれほど高齢化率が高まっているということがわかる。日本の高齢化率は、2015年の時点で26.7%であるが、今後さらに高まることが予想される。年金に関しては、個人で積み立てているので、これもそこまでも負担とはならないという見方もあるが、高齢者が増えると現役世代での負担が増えてしまうので、適正な負担額にしていかなくてはならない

  • 最後に

まず上記から、全ての人に行き渡る保険医療サービスが必要である。障害者や生活困窮者に対してもサービスを受けられるようにし、自立を促していかなくてならない。特に、障害者に関しては経済的自立を促していく必要がある。また、年金給付や社会保障関係費の中で述べたが、是正の具体的な内容として、国だけではなく地方自治体や市町村の負担額増加や本人負担額をより適正に判断していくなどの方法が考えられる。

日本の医療費の中で高齢者の医療費が4割を占めており、2025年には、後期高齢者の医療費は5割を占めると言われている。高齢者の医療費負担額に関して、見直していくことが必要なのかもしれない。

【参考文献】

三田寺裕治『福祉サービスの組織と経営』弘文堂(2019)

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