【レポート】ジョン・ロック:思想と現代への影響

ジョンロックについて。思想と現代への影響

ジョン・ロックの思想と現代への影響について 「人間悟性論」の中で経験論的認知論を体系化し、イギリス経験論の父と呼ばれているジョン・ロック。彼の思想と現代への影響についてまとめました。

  • ジョン・ロックについて

1632年8月29日、ジョン・ロックはイングランドの南西部の田舎、サマーセット州のリントンという小さな町に生まれた。当時の英国は、国王と議会との間で対立が勃発していた。対立が激しくなった理由は、封建社会から近代社会、そして、資本主義社会へと時代の移り変わりが起きていたからだ。そして、ロックが関わっていた思想的対立が争いをより一層激しいものへと変えた。

少年時代のロックは、父が熱心な清教徒だった為、ピューリタン革命も彼の思想に大きく影響した。さらに、ルネサンスのヒューマニズムの思想や宗教改革からもロックは影響を受けた。様々な影響を受けた中で生まれたロックの政治的思想。その中でも「統治論」は最も近代的意義がある為、歴史的にとても重要である。統治論は人権宣言の中で「その憲法が近代憲法といわれるためには、人権の保障と民主的な政治機構がその中で保障されていなければならない」(十六条)と近代憲法を明確に示したものとされており、ロックは「近代民主政治の父」と呼ばれることもしばしば。経済的問題でロックは利子率をめぐる問題に興味を示し、1692年には「利子論」を出版した。さらに、ロックは宗教的思想として「信教の自由」も確立。教育面では「ジェントルマンの子供のための教育論」と「貧民の子供のための教育論」を唱えた。ジョン・ロックは多方面から物事を道徳的に、かつ合理的に捉え、思想を世に広めた。

ジョン・ロックの思想の中で、統治論に続き有名なのが哲学的思想。哲学的思想の中でも有名なのが「人間悟性論」だ。人間悟性論は「人間の経験によって、真理を確かめる道を開いたもの」。人間悟性論はロックが冬に友人たちと「神とは何か」「人はどうして信仰するのか」といった疑問について話し合っていた際に生まれたと言われている。この人間悟性論と教育論を結び付けているのがロックの「人間の自由とはなにか」である。この考えは、人間の意識や思想などについて論じる点で「自然法論」と密接な関係にある。

  • 現在にも影響を及ぼすロックの思想・根拠

ロックの思想はあらゆる方向から現代の、私たちの思想や考え方に影響を及ぼしている。その1つが統治論。統治論が現代社会と関わる大きな点が2つ。1つ目は、政治や統治、政府を設ける意義は、人間の生命・自由・財産の保障にあることを理論化した点。現代の基本的人権思想はこの思想に基づいている。2つ目は、政治において「法の支配」が実現するには多くの人々が政治に参加できる「議会政治」によってでなければならないということを理論化した点。これは、現在の民主的な政治制度の原理として直接的に関わっている。

  • 考察

父、清教主義、デカルト、など様々な人や価値観に影響を受けてきたロックは、自身の思想や価値観を述べる際、ロジカルかつ根拠立てて詳細に話すのが特徴だ。これが、現代にもロックの思想が存在する理由の1つなのかもしれない。人々の生命・自由・所有を尊重する自然権をロックが主張していなければ、現在でもまだ多くの国で「国民が権利を持つ」という発想がなかったかもしれない。ジョン・ロックは思想家として、世界に貢献した偉大な人物である。

  【参考文献】

田中浩・平井俊彦・浜林正夫・鎌井敏和「ロック」清水書院 (1968)

熊野純彦「近代哲学の名著―デカルトからマルクスまでの24冊」中公新書 (2011)

ジョン・ロック著 加藤卯一郎訳「人間悟性論」岩波文庫 (1940)

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