【レポート】森鷗外

森鴎外について

  • プロフィール

森鷗外の本名は森林太郎。1862年2月17日生まれ。医学部を卒業し、軍医として働いていた優秀な職歴を持ちながらも、ドイツへ留学に行き、文学に魅了され、帰国後に小説や著訳集を執筆し、浪漫主義や理想主義を確立させた。

  • 小説のスタイル

森鷗外の歴史小説は、基本的に事実を基にして鷗外本人が小説を書き出しているスタイル。小説を構成する上で、創造が自由という事が特徴。その原因を「森鷗外―その歴史小説の世界―」の著者である板垣は「各作品のテーマが多様性を持っていることであり、さらに一つの問題が相対的・対比的に追求されていて、鷗外の立場が明瞭には浮かんでこないことに因なるのである」と述べている。確かに、文学における統一テーマを追求することは重要なことであるが、そのテーマが多様性を持ち、かつ意味が深ければ、そのテーマの追求は困難である。

  • 代表作

森鷗外の代表作の一つに、「うたかたの記」がある。この作品は鷗外が実際に留学へ行ったドイツを舞台としたラブストーリーとして書かれている。「森鷗外―歴史と文学―」の編者である武田と高橋によると、「いくつかの事実に創作を付け加えて書き上げた小説は鷗外初期の文学論と趣旨が並行している。若き鷗外の文学論は、概括して言えば、現実と芸術を厳密に区別するという論理に基づいている」と述べている。鷗外自身が滞在した場所を舞台とし、芸術意識が日本と異なるヨーロッパのストーリーを創作することで、現実的である一方、フィクション小説という2つの事象を引き起こすことが可能となるのだろう。

続いて、代表作「舞姫」を例に挙げると、武田と高橋は「自分が経験した事実をそのまま使うのではなく、幾分変えて想像力を働かせて芸術化する方法」と述べている。彼らが主張するように、事実や実際に存在するもの、想像上のものを組み合わせることで、より深みのある芸術が生まれるのだろう。

【参考文献 】

板垣公一『森鷗外―その歴史小説の世界―』株式会社中部日本教育文化会(1975)

武田勝彦・高橋新太郎『森鷗外―歴史と文学―』株式会社明治書院(1978)

斎藤明雄『漱石と鷗外』株式会社文芸社(2015)

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